○“文庵先生”藤田文蔵/男/30歳/医師/憑神使い
京の公家の生まれだが、幼少より病弱だった身体を猫神“コテツ”に救われてからは医術を志している。
勢い余って妻子を連れて江戸まで来たが、人の良さゆえか貧乏暮らしをしている。
○“コバキチ”小林嘉吉/男/20歳/辻占い/術師
占い家業の家に生まれ吉の字を受ける、同じように凶の字を持つ妹には趣味である踊りの腕で敵わなかった。
その妹がアヤカシの手で身代わりのように絵に封じ込められて以来、解放手段を探している。服のセンスがとにかくすごい。
○“虹砂の”お文/女/14歳/砂絵描き/憑神使い
安芸の殿様の参勤交代に家族ごとついてきたが、帰りの際に家族とはぐれてからはひとり江戸に住み着いている。
その家に代々憑いていた座敷童“つる”がお文を気に入ったため、実家の方が衰退しつつあるが一家揃って楽天家らしい。
○“三河町の紅”紅乃/女/21歳/生け花/術師
生け花の師匠でもあった祖母に修行の旅の道中でその力を目覚めさせられた。
今は自分も生け花の師匠として生計を立てているが、なぜか人目を忍ぶ技も身につけている。
年の瀬の忙しい頃、文庵先生は、白じいさんのために最新の薬を調合していた。
その出来は非常に良く、老体の白じいさんもすっかり元気を取り戻し、往年の大工仕事も出来そうな勢いにまで回復していた。
江戸市中でもひときわ異彩を放つ占い師のコバキチは、場所が終って人気のない土俵際年越しできるか占いを依頼されていた。
占いでは能天気な金吉の借金返済は絶望的だったが、とにかく最善を尽くすように励ましていた。
お文が寺の境内で砂絵の板をかまえていると、興味津々で覗き込む少女の姿があった。
その子供の視線に同じ高さで答え、竜の絵を描くのだが、強そうに出来なくてがっかりされていた。
紅乃は生け花の師匠として、年末の飾りつけのための指導をしていた。
その出来はただの生け花なのに舞い散る雪を感じさせる荘厳なもので、弟子達はとにかく感服するだけだった。
『ナイトメアハンター=ディープ』&『大江戸RPGアヤカシ』合同コンベンションで遊んできました。
NHDとアヤカシで合計8卓、もちろん鈴木先生や小林先生のデザイナー陣がGMを務める豪華イベントですが、何故か自分もGM。
この状況だと自分の卓の希望者ゼロかと不安でしたが、ありがたいことに4名の方が参加してくれました。
予想通りでしたが皆さん私よりもアヤカシで遊んだことがあるんですよね(笑)
そのせいかひとくせもふたくせもある連中が揃いまして、面白おかしく過ごす事が出来ました。
お話は時間がかかり過ぎないようにシンプルにしたつもりですが、屋敷に入ってからがテンポ悪くなっちゃいました。
あのあたりはもっとちゃんとシナリオ作るべきところでした。
ラスボスはルールブック通りの化け猫さんでした、ただし絵面は招き猫。
これが非常に弱い(笑)一瞬で片がついて遅れ気味だった時間がぴったり終了、多数遅れている中奇跡的に時間内に終了してました。
ともかくアカヤシ楽しいです、またGMもできたらいいな。
怪異の序幕:
季節は冬、師走に入って江戸の人々も年越しの準備を始める頃。
1200石を誇る旗本「松田助ノ新」の屋敷も奉公人たちがせわしなく働いている。
そこに勤めを終えて帰ってきた助ノ新が、いつものように女中たちに掃除のこと、飯のことを厳しくしかりつけていた。
「あの時は、あんなに優しかったのにどうして。」
主人に怒鳴られて落ち込んでいた女中の一人、「お里」はすっかり枯れてしまった桔梗の手に花を見つめていた。
「そうだ、あの時のように、沢山の人がいれば、きっと。」
その様子を、屋敷の塀の上から、一匹の猫が見つめていた。

転寝師の日常:
PC作成が終わったあと、P218の転寝師の日常設定表を振っておく。
表に合わせて、依頼の前日から順番に演出していく。

アヤカシ祓いの依頼:
托鉢僧姿の座元・恵蓮尼が、ちりんちりんと錫杖の鈴を鳴らす。
それは、夜の四ツ、翌日の深夜に集合する合図である。
提灯を持ったPC達が蓮花寺を訪れたところで、猫の鳴き声がする。
目標値5の恐怖判定(P84)を行ない、失敗したPCはしばし立ち止まる。
やがて恵蓮尼が現れ「先方は既にお待ちですよ。」と声をかけて境内に連れて行かれる。
依頼人は旗本家の女中「お里」。
主人である旗本の「松田助ノ新」が人が変わって取り憑かれたかのようになってしまった。
お家が取り潰しになる前に助けて欲しいと言う。
手付金が1両、成功報酬も1両、お里の給金からやりくりしている。
依頼を受けると「今宵はもう遅いですが、お早いお越しをお待ちしています。」と言って去る。

恵蓮尼は、屋敷に行く前に近場で松田家の評判を調べる事をPC達に促す。
本所よりは少し北、南千住あたりのところに松田家の屋敷がある。

情報収集:
情報@
【心魂/能動】の目標値18に成功すれば、隣の米問屋「五穀屋」の主人が米を貸した事が分かる。
米を貸しに行ったのにそのまま馳走になってしまい一泊してしまった。
朝、雪が降っていて寒かったが慌てて帰ってきた。

情報A
さらに【心魂/能動】の目標値25に成功すれば、「猫嫌いの健吉」が松田家の屋敷から抜け出している。
使用人として雇われると思っていたが、そうではなく屋敷に沢山いる猫に我慢ならず逃げてきた。
屋敷の入口に門番のように足軽が立っているが、交替の隙に出てきた。

情報B
<子供の目線>の技能を持つPCが情報収集をした場合、町の子供まで屋敷に誘われているのがわかる。
町人の子供たちは恐れ多くて行っていないか、親に止められている。

アヤカシとの遭遇:
PC達が入ろうと思ったところで、屋敷にはすぐに入れる。
PC達が屋敷に入ったところで、麝香の香りがする、目標値8の恐怖判定(P84)を行なう。
屋敷は広くて数十の部屋があるが、どの部屋にも人がいる、武士、町人、子供などさまざま。
とにかく出ようと言う気が起きないのでなんとなく居ついている、一日目は主人は帰ってこない。
どのタイミングでも、屋敷から出ようとすると憑依(P230)された足軽が門に構えている。
面白くなる事を怖れずに、語尾に「にゃ」とか言うこと、PCの心魂対決等で憑き物が見破られる。
憑依が解かれると、猫の妖が屋敷の中へ逃げ込む。
PC達の心魂/能動または<胡蝶探魔の術><雪蛍>等の呪術、妖術で目標値20でアヤカシの場所がわかる。

明らかになる真実:
猫だらけの部屋にたどりつく、目標値14の恐怖判定(P84)を行なう。
その中心に猫の顔になった「お里」がいて、心情を吐露し始める。
2ヶ月前の秋、領地の豊作の祝いの席で、助ノ新も機嫌が良く、お里にも直々に桔梗の花をくれた。
祝いの後では不機嫌になり、以前と同じように女中に辛く当たっていた。
客が多ければ優しくしてくれると考えて、人を集めようと招き猫と同一化し、どちらが正体か分からなくなっている。

対決:
転寝衆に依頼したのも客を増やすためであり、どうしても帰りたいなら死んでしまえなどと言い出す。

異界の現出:
お里状態の化け猫の耐久力が0になると、そのまま[アヤカシ]化け猫が本当の姿を現す。
武家屋敷の宴席、人間、猫が入り混じった飲めや歌えやの大騒ぎの風景が広がる。
巨大な招き猫が現れ、目標値25の恐怖判定(P84)を行なう。

終幕:
もらった桔梗の花が、さびしそうに一輪だけ残された。
お里はそれを握り締めたまま、楽しい夢を見ているかのように眠っている。
屋敷の主人「松田助ノ新」が帰ってくる。
そして桔梗の花は人からもらったが持ちきれずにこぼれたモノをくれてやっただけと言う。
アヤカシを払ったと言うと、とにかく1両だけPCに渡して、他の客共々厄介払いのように追い出す。
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