我らが主の年1870年、此処に私はペンを執り、我が驚異と冒険の物語、
広い世界で確かに見た珍奇と不思議の数々を綴ろうと思う。
斯く言う私は傭兵を生業とする
アルベルト・リヒターと申す者。
人は私の外見が獣のように猛々しいと言うが、私は左うも思って居ない。
幼少の折、私は気難しい魔術師に育てられ、
ロンドンの下町に於いて究極のサバイバル技術を学んだ。
さて私に魔術を全く教えず戦闘技術と生存術ばかり教えてきた師匠から解放され
ハインリヒ・コールというちょっとアレな発明家に雇われることになった
まぁちょっとアレはちょっとだしどうやら私の夢にとって好都合な人物のようだ
その今度の旦那は抜け目がない、発明資金のために大富豪ヴィッテルスバッハ伯爵家の令嬢と仲良くなっている
これはこれでいい感じだ、あそこの沢山居る執事はみんな紅茶を淹れるのが上手い
そんなある日、いつものようにヴィッテルスバッハ家のサロンにお邪魔していると
ガストン・ティルグルフ男爵という道楽貴族から招待状が届いたらしい
降霊会?そんな超常現象は良くわからないがここのイルゼ嬢はもちろん旦那も乗り気だしまぁいいか
なんか怪しいギリシャ出身とか言う魔術師風の男が今回のメインだそうで
(斯く言う私は恥ずかし乍ら魔術には丸で自信がない)
やっぱりそのサレル・イグレシアスとかいうのは何か妙な精神状態だったようで
海岸線の洞窟の奥で化け物の姿になってたような気がするけど、きっと夢だな、疲れてたし
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