野村渉
キャリア系警部補
叔父の推薦で警部補にはなれたがどうやら発言力は強くないらしく
本庁では中途半端な立場で日々お茶汲みなどを過ごしている
いつになったら地方署で捜査本部とか立てて大威張りで寿司食いながら捜査できるんだろう
などと思いつつお茶汲みをしていると待ちに待っていた指示が下る
と思っていたら自殺の捜査?どうでも良い仕事らしい
とにかく現場の磯島高校へ、当地の二曲署の山田巡査部長から話を聞くことにする
自殺者は女子高生、講堂の舞台の下の昇降機の辺りで首を吊っていた
鑑識のタケさんと呼ばれるベテランや本庁の検使官の小田警部は死因に不審な点があるらしく解剖へ
自分は舞台の捜査を一応してみる、山田さんも何か言っていたがどうもおかしい
自殺にしては足跡を消しているようだしなにより鍵がかかっている要するに完全な密室
なにかのトリックを駆使した殺人事件という線が捨てきれなくなってしまった
しょうがないので調査する
調査を進めてわかったことは、亡くなった女子高生(仮に少女A)は演劇部で
なんとこの演劇部は2年前と一ヶ月前にも自殺者(同じく少女B、少女C)を出している
その2年前から活動を休止していたのだが卒業前の最後の文化祭だというので復活することにしたらしい
そして少女Bが主人公するはずだった2年前の脚本をやると言うのだ
今度の主演は天才子役として名を馳せていた少女Dだという
ちなみに二曲署の三酒巡査がファンだと言って会いたがっていたがそんな奴では捜査にならないだろうからはずしておいた
さまざまな捜査の末、少女Bの日記を発見した
その結果少女D、少女A、少女C、と現在の演劇部長は少女Bが主演なのを妬み陰湿な嫌がらせをした結果
少女Bを自殺に追い込んだらしい
さらに演劇部には今年になって入部した3年生(少女E)がいて、最初はごまかしていたが少女Bの幼馴染だとわかった
これだけ調べると少女Bの父親、少女Eが演劇部の4人を恨み復讐に走った線が濃くなる
そこで我々が容疑者と狙われているであろう少女D、演劇部長宅を張り込んでいると
いつに間にか演劇部長に携帯番号を教えていた三酒巡査(なにを捜査したんだか)に電話がかかる
演劇部長はとても怯えていたので保護し、話を聞きだした
なんと少女B自身が復讐のために蘇ってきたようなことを言う
2年前にも同じようなことがあり、その時は少女Dの母親(大女優)が知人の霊能者に連絡を取り封印を施したらしい
自分には全く何のことかわからないが小田警部や山田巡査部長は合点が行ってるようだ
とにかくもう一方狙われているであろう少女Eに連絡を取ろうとすると
事件のため休みになっているはずの学校に行って戻ってきてない
我々は学校に急行するとそこでは信じられないモノを見ることになる
捜査途中で少しだけ気になった腐敗臭、それが講堂に立ちこめ、髪の長い女の顔をした黒い影が天井から見つめている
そしてその影は少女Bだと言っている、とても信じられない
この先の出来事はあまり覚えていないがとにかく自分と三酒巡査は講堂の下で縛られていた少女Dを救出した
黒い影とは山田巡査部長がなにが声を掛けていたがやがて納まり、影は見えなくなった
こんな馬鹿げた事を報告しても誰も信じないだろうから自分はやはりこの事件を自殺だとした報告書を書いた
そしてやはりその通り自殺だったのではないかと思い始めている
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