○童蘇芳(どう そほう):凶門派:生き様「不退転」
五年前の冬、木枯らしが吹いていた戦のなかで、海賊が、死闘のすえに、自分を震えながら殺した。
死闘の際に盲目となるも海中から生還、その瞼の内からの闇の瞳は光を失うことはない。
○淳干蒼月(じゅんう そうげつ):剣聖派:生き様「平和」
昨年の秋、木漏れ日が眩しかった、河原で、自分が、朝廷の抗争で、朝廷の将軍を惨殺した。
紅い眼をした美丈夫、朝廷の将軍は悪人だったと思い込むが、それ以来、平和を願うようになった。
○宰一石(さい いっせき):飛雲会:生き様「無頼」
七年前、夏、蝉が鳴いていた、村の中で、謎の物乞いが、陰謀によって、自分を、武芸の使えない体にした。
武功を回復するまでに七年かけた、本来は厄介ごとには関わりたくない性格の女侠。
○威蒼馬(い そうば):天蒼派:生き様「風雅」
九歳の頃、秋、落ち葉が舞っていた、酒場で、片腕の男が、蹴りで、幼い自分の、首を斬った。
瀕死の所を今の師匠に拾われ、首に大きな傷を残すも一命を取り留める。
○荀梟翼(じゅん きょうよく):白虎派:生き様「断罪」
三歳の頃、秋、血のような夕焼けのなか、食堂で、父が、殴り飛ばして、泣き虫な自分に、慈愛の深さを教えた。
美人の妹が攫われ、行方を捜し、救い出すために武侠としての道を歩む。

考慮の結果のPC番号割り振り
PC1:荀梟翼
 双子の妹は威蒼馬の師、“美侠”威紅馬の元に修行に出ている事を明かされ、試合の約束を教えられる。
 そのために紅馬の住む守口(しゅこう)の街へ挨拶に行く事を命じられる。
PC2:威蒼馬
 守口に住む天蒼派の大家、威紅馬に拾われ、武侠としての頭角を現し始める。
 虫の知らせを感じた師から六年前の話をされるが、ほとんど覚えていない。
PC3:淳干蒼月
 守口に住む役人にも顔の広い白家の娘、米舞との縁談が決まり、婚礼のために赴く。
 道中で米舞が暗殺されたとの知らせを受け、足を速める。
PC4:童蘇芳
 凶門派の裏切り者、関白狼の始末を命じられる。
 白狼は海賊とも共謀し、五年前に蘇芳を殺めかけた相手その人である。
PC5:宰一石
 七年間も山小屋の中で静養を続け、ようやく回復。
 謎の物乞いが残した言葉「守口まで生きてこられれば仲間にしてやるぞ」の言葉を頼りに、歩み始める。

設定:
 威紅馬は、荀梟翼の双子の妹、荀忍冬を引き取るも、兄妹の対決を望まず、基本以上の武術を教えなかった。
 それに反抗した忍冬に、紅馬は誤って片腕を落とすほどの重傷を負わせ、忍冬は屋敷を飛び出した。
 その際、新しく弟子入りの決まっていた蒼馬を逆恨みし襲撃、当時から秀でていた蹴り技で瀕死にする。
 あまりの衝撃に蒼馬は記憶を失い、相手も男であったと思いこんでいる。

 淳干蒼月が殺した朝廷の将軍は、関白狼の父親であった、白狼は同じ悲しみを味あわせるため、
蒼月との結婚が決まった白米舞を暗殺する。
 また、七年前に関白狼の父親の陰謀により、物乞いの格好をして大坂府−飛鳥京間の街道に潜んでいたところ、
宰一石に見つかり、事が露見する前にと殺害、捨て台詞は誤魔化しの為であったが、皮肉にも守口で再開してしまう。
 また、師の下を去り、親許にも戻れず放浪していた荀忍冬は関白狼と出会い、恋に落ちる。
 ものすごく久しぶりの自前シナリオでの扶桑武侠傳。
 “シナリオは現場で完成するんだ”の格言(自作)の従って、自前って割には半分アドリブ。
 セッション開始の瞬間に突然、荀梟翼のプレイヤーから、
「美人の妹を探してるんですよ。」って言われた時にはめちゃめちゃ焦りましたが、
実はむしろ幸い、それで話の筋はまとまった感じでした。

 シナリオ展開的に、白米舞暗殺事件は、白家や米舞自身の浮気や恨み説で始まりましたが、
結局、淳干蒼月のプレイヤーが「まさか自分のせい?」と気づいてくれたのがちょっと嬉しかったです。
 威蒼馬と荀梟翼は武侠らしく、忍冬探しよりも出会ったばかりの友、
淳干蒼月の仇を探す事を優先することでその場は結束、このまま淳干蒼月が主役か?と思わせておいて、
威紅馬ば襲撃に遭い、忍冬に関する真相を明かしたところからやはり流れが荀梟翼に戻った感じ。
 関白狼は朝廷に仕える将軍だった男の弟と言う信用をここで持ち出し、威蒼馬を犯人に仕立て上げる作戦に出ますが、
威蒼馬と荀梟翼は『あいつはきっとやって来る』を有効活用し脱出。
 最終決戦の末、荀梟翼と忍冬は雌雄を決し、淳干蒼月は目にも留まらぬ超神速の牙狼剣にて関白狼を撃退。
 威蒼馬の看病により忍冬は命をとりとめ、「愛する人の仇」として蒼月を追う決意をします。
 淳干蒼月はそれに対し「いつでも追って来い」と応えるも、不毛な戦いを避けるため、行方をくらませるのです。

 といった感じで武侠っぽく締めてもらえました、皆さん立派でした。
 ちょっと申し訳なかったのが宰一石、盲目と言うこともあって、最後まで関白狼が恨む相手であることに気づかず、
捜し求めて旅に出る、というエンディングになってしまいました。
 お暇でしたら、一応事前に作成していた演出者用台本記録帳と見比べてみてください。
演出者用台本記録張
戻る