○“エメラルド・フロウジョン”カミュ=ローランギャロス:25歳:男:ガンブレイド/ガンブレイド
スマートにして屈強、神に愛されたとしか思えない完璧な肉体美の持ち主。
ボディーガードで失敗し、恐怖と共に大きな傷痕を刻み付けつつ、ブレイザーとして目覚めた。
○エリザベート=シュナイダー:18歳:女:ディフェンダー/ストライカー
生まれた時からブレイザーの力を持つためか、髪が一房跳ねている。
ザインに完敗して以来ライバル視しており、剣の道を究めんと修行している。
○トニーニョ:17歳:男:フォーチュン/トリック
施設では忌々しい記憶とともに、首の後ろに043と刻まれている。
窮地を脱出して以来、その運の良さをさらに高めんとして、さまざまな苦難(主にヤブヘビ)に挑んでいる。
○マルコ=マルゲリータ:3×歳:男:ツインアームズ/インファイト
左右異なる赤と青の瞳をサングラスで覆っている夜の守護者。
ピザ屋の振りで何でも運ぶフィクサーとしてカンタータのアジトにすら出入りしている。
サウスゲートに建設中の塔は、日に日に高さを増していた。
街の人たちは、それが世界中の虹を集めて世を照らし、白い闇を消し去る象徴との期待をその塔自身の高さよりも高めていた。
だからその夜、白い煙が塔を禍々しい姿に変え、ジェシカの悲鳴が聞こえた時も、希望をなくさず祈る事が出来たのだ。
そして、その期待は朝日よりも鮮やかな虹の光が、市長の演説と共にラヴァーズゲートを七色に染めることになる。
明けない夜はなかった。
ハンドアウト
第12回いっしょにTalk!でガンメタル・ブレイズのGMをしてきました。
皆様世界設定がどうという話よりもとにかく、シチュエーションカードには興味津々のようでした。
その想いが特に強かった4人の勇者といっしょに遊ぶ事が出来ました。
思った以上にすんなり受け入れてもらえたようで、どんどんカードが回って行く様子はなんだか嬉しいですね。
お話はわかりやすくさらわれた女の子を助けるべく奮闘する展開。
話が分かりやすかったためか「何かやりたいシーンはありますか?」と聞いてすぐに答えが返ってくると嬉しいですね。
最後は娘を助けて元気一杯の市長(GM)が持っていって締めましたが、多分受けてたので良し。
シナリオ
○プログラムカード
約束、氷塊の音色、トラウマ、ヒロイズム、非常なる運命
○オープニング
・シーン1:PC1
アーノルド・ランドテイカー市長が決意を語る。
サウスゲートの横に、鉄筋を組み上げた塔を建設していて、さながら灯台のようになっている。
そこに、巨大なレプリクォーツが運び込まれている様子をPC1と共に工事現場を見上げている。
「アレを見ろ、あのレプリクォーツを使ってこのストリートを虹の光で照らす事が出来るのだ。もちろん、ガンメタル・ブレイズのような力はないが、フリークスどもが街に現れるのを防ぐくらいは出来るだろう。」
アーノルドは少し不安げな表情になる。PC1が何か言うと「大丈夫だ、問題ない。」と意を決したように言う。
「塔が完成したら、盛大な点灯式を行なう予定だ、PC1、お前も来てくれるな?」
プログラムカード[約束]を提示する。
・シーン2:PC4
マーカスシティ最大のカジノ“エクシード”のオーナールームに呼び出されている。
「PC4、いつもすまないな。」
「またお前に頼みたい事があってな、どうやら市長が何者かに脅迫されているらしい。普通に考えたらいい気味だが、問題は俺たちを差し置いて話を進めてるってことだ。」
「ヴォルカーニの連中ならとっちめればいい、政治屋なら抱き込めばいいさ。だが、他の奴となっちゃ、多分お前の出番だ、やってくれるな?」
プログラムカード[氷塊の音色]を提示する。「俺たちの街に。」
・シーン3:PC3
マーカスシティの裏通りで、フリークスを退治している。
「HAHAHA、破壊、ハカイーッ。」「ウギャーッ!」断末魔の声を上げ、倒される。
一息ついたところで甲高い女の声がする。
「みんなみんな、力があれば良いのに。PC3そう思うでしょ?」
プログラムカード[トラウマ]を提示する。
「この力、分けてあげるよ。」声の下方向を振り向くと、白い影が消えた気がする。
・シーン4:PC2
マーカスシティの中央通、ラヴァーズ・ストリートをジェシカが意気揚々と歩いてる様を見かける。
「こんにちはおばさん、今日も元気ね。こんにちは猫ちゃん、変なところで爪研いじゃダメよ。こんにちはPC2、相変わらず冴えないわね、やっぱりパパより強い人なんていないのね。」
さりげなく失礼に通り過ぎると、道の先でカツアゲをしているならず者に駆け寄る。「こらーっ!」
「やべ、ジェシカだ。」「市長は敵に回せねぇ、逃げろっ。」ならず者たちは逃げて行く。
一息ついたジェシカに、「ちっ。」毒づく不良たちが残っている。
「残念だったな、俺達はアーノルドなんて恐くないんだよ。」
白い煙が噴出したかと思うと、不良たちがフリークス化していく。
ジェシカが悲鳴を上げたところで、プログラムカード[ヒロイズム]を提示する。
○ミドルフェイズ
・シーン5:PC2、他PCは登場自由
シーン4の続き、インセクト(P.225)相当の不良フリークスがPC人数分現れる。
セットアップ時に他PCも登場できる。敵は1エンゲージ。
戦闘終了後、カーミラが現れ、ジェシカを攫っていく。この時、敵を1ラウンドで倒している場合、MF《オーバードライブ》を使用する。《バニッシュ》を使おうとした場合、プログラムカード[非常なる運命]を提示して追跡に失敗させること。
「ウフフ、アナタ達はこういう子供がいると何も出来なくなるのよね。」
「待ってなさい、街中が白くなるの、そう、アナタ達も仲間になるのよ。」と言って去っていく。
・シーン6:PC1、他PCは登場自由
BAR“ガンメタル”で市長と会話する。
「まさか、こんなに早く奴らが行動に移すとは。以前から脅迫文は来ていた、虹の塔の建設を進めると娘がどうなっても知らない、とな、だが、この街、ひいては世界のためにそれに屈するわけにはいかなかった。」
「さらに、新しい脅迫文が来ている“娘を返して欲しければ、点灯式の前日に、メナスを塔に入らせろ。”とある。やつらの意図は不明だが、良からぬ事をたくらんでいるのは間違いない。」
「私が表立って動くと、娘がどうなるかわかったものではない、フッ、俺も所詮人の親と言うことだ。」
「だから頼む、なんとか娘を助け出してくれ、こんなことを頼めるのはお前しか居ない。」
・シーン8:情報収集
情報収集を行なうサーチシーン、演出はその場に合わせて適宜行なう。
情報判定は【精神】のアビリティで行ない、1項目につきひとり1回の判定を目安とする。
▼アーノルド・ランドテイカーについて
難易度7
以前から、脅迫を受けていたが、一蹴していた。
難易度10
娘を誘拐した相手の名はカーミラ、メナスと思われる。
▼ジェシカ・ランドテイカーについて
難易度9
普段から恐いもの知らずのおてんばで知られていたが、本当に危険な目にはあったことがなかった。
外見は可愛らしく、スクールで言い寄る男の子も多いが「パパより弱い男は認めない。」とのこと。
▼PC3の施設について
難易度9
アガスタ教の異端派“リジェネシス”に属するマッドサイエンティスト、クリスティーナ・エレミスの研究施設だったらしい。
PC3の証言により、アーノルド市長をリーダーとするブレイザー達の手により閉鎖されている。
難易度11
PC3のように自力で抜け出したもの以外に、エクソシア級、デュミナス級のメナスの力を身につけ解放されたものもいて、消息をつかめていない。
難易度13
カーミラもメナスの力を身につけたものである。
▼カーミラについて
難易度8
PC3と同じ施設に居た少女。
難易度12
施設の中でフリークスとなるが、その中でも理性を失わず力をつけ、メナスとして施設から壊滅前に去っている。
難易度14
市長を恨むよりは、ブレイザーを憎む傾向にあり、特に同じ施設からブレイザーとなったPC3を目の仇にしている。
▼フリークス化(施設の機能、クリスティーナの研究成果)について
難易度9
白い煙を発生させ、その煙を身体に浴び、吸った者が正体を失くし、フリークス化する。
難易度12
カーミラはその力を街中で使い、一般人をフリークス化しているらしい。
▼ジェシカ誘拐犯の狙い
難易度12
ジェシカは、ヴォルカーニ・ファミリーの隠れ家のひとつに監禁されている。
(ヴォルカーニ・ファミリーも被害者であり、事件には関わっておらず、下っ端の何人かはフリークス化している。)
難易度15
サウスゲートに建設中の虹の塔から、フリークス化させる白い煙をクォーツの力を掛け合わせて街中にばら撒き、全市民のフリークス化を狙っている。
・シーン9:PC4、他PCは登場自由
ヴォルカーニ・ファミリーの隠れ家の一つ、サウスゲートから数百メートル離れたスラム街の中にある。
セッション時間に余裕があれば、グール(P.225)×2、キャスター(P.226)×1と戦闘になる。
倒されると、フリークス達は負け惜しみのように言う。「ケケケ、俺達はどうせ時間稼ぎの足止めよ、今頃はあの塔から俺たちの仲間が沸き出てる頃だぜ。」サウスゲートからジェシカの悲鳴が聞こえる。
○クライマックス
・シーン10:PC1、他PCは登場自由
サウスゲート、PC達が駆けつけると、カーミラが笑っている。《クリエイション》の効果で塔が完成している。
「黙ってみてなさい、大丈夫、アナタ達も仲間になれるわよ?」
戦おうとすると、塔の上からジェシカが助けを呼ぶ声が聞こえる。
「パパ、PC2、助けて!」
「フフ、あの子がどうなっても良いの?」
ここでアーノルド市長が駆けつけるが、何も出来ないでいる。
PC達にも《カラミティ》の効果により、[狼狽]を与える、シーン中は解除できない。
PC達が迷ってそうなら市長に対してシチュエーション・カードのプレイを促すこと[不屈の闘志]、[暴走]あたりが推奨。
「そうだ、俺はこれくらいでは負けてられない。俺は父親としてジェシカを助ける。だからPC1よ、後は任せた、市民のために、奴を倒してくれ。うおおおおーっ!」と、塔の外からクライミングを始める。この瞬間、[狼狽]は解除される。
・シーン11:PC3、全員登場
「バカな連中だこと、せっかく力を手に入れられるチャンスなのに、こうやってね。」
カーミラから白い煙が発せられると、周囲からフリークス(グール)たちが現れる。
カーミラ&グール×2−PC達−グール×2というエンゲージ、それぞれロングレンジとする。
倒されると「どうして、PC3、あなただけ・・・」と言い残して白い煙となるが、塔から虹の光に照らされ、すぐに消える。
○エンディング
・全員
虹の塔から光が溢れている、市長が塔を外から登りきり、装置を正しく作動させたらしい。
ジェシカは手を振りながら無邪気に叫んでいる。
「おーい、PC2!やっぱりパパは最高だね!」
・PC1
点灯式を行なう。
「少しフライングになってしまったが、メナスを消し去る最初の光だった。これからも街を守り続けるだろう、お前たちのおかげだ。」
・PC2
虹色に輝くストリートをジェシカが駆けている。
「やっほー、そんなんじゃパパみたいにはなれないわよっ!」彼女の基準は高そうだ。
・PC3
施設の犠牲になって亡くなった人たちの墓がある、そこに新しく、カーミラの墓標が刻まれた。
・PC4
カルロが労をねぎらってくれる。
「別に市長を助けたかったわけじゃないさ、ただ、これで奴にも俺達が必要だって事がわかったかもな。」
「よくやってくれた、これからもよろしく頼むぜ。」
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